どこまで本当に無料?「任意売却の無料相談」の方法と注意点
「住宅ローンを滞納している」
「来月から住宅ローンの支払いができないかもしれない…」
「売却したくても査定価格が低く、ローンを完済できないかも」
住宅ローンの支払いに困り、家の売却を検討した場合には、住宅ローンの残高がいくら残っているかは非常に大切なポイントになります。
売却を考えたとしても、家の価値が住宅ローンの残高を下回る場合(オーバーローンの状態)は、債権者の承諾を得てからしか、売却ができないからです。
この債権者の同意を得た不動産の売却を任意売却と言い、支払いが滞ったまま売却をせずにいると、いずれ競売になってしまいます。
任意売却は 市場価格に近い価格で売却できるので、住宅ローン債務者にとっては競売と比較して有利な方法です。
また、債権者にとってもより多く債権が回収ができるメリットがあります。
精神的にも経済的にも競売より負担が少ないことで、できれば、任意売却を成立させたいと思うかたも多いはずです。
ただし、一般的な売却と違い、どんなところに相談すべきか、どんなところは避けるべきか、何を相談できるかが分かりにくいと思います。
住宅ローンの支払いが困難である状態を抱え込んでしまっている…そんな方の不安がなくなり、相談がしやすくなるように、今回は任意売却の無料相談について詳しく説明します。
目次
任意売却の相談は無料で行える
まず、任意売却の相談に関する費用はなく、無料で行えます。
電話での相談はもちろん、訪問相談も無料で行っていることが多く、相談時間に関わらず、費用が発生するということはありません。
通常、不動産を売りたいと考えた場合は不動産屋に相談しますが、この時に不動産会社から売却相談をしただけでは費用を取られることは無く、売却成立時に、仲介手数料を支払う契約を結ぶのみです。
任意売却の相談も同じであり、任意売却は債権者・差押え・競売など複雑な相談内容にはなりますが、相談料は原則として発生せず、任意売却の成立時にのみ仲介手数料という報酬を払うことになるのです。
任意売却の相談は電話・訪問でも無料で可能である
また、任意売却の相談は電話・訪問でも無料で行えます。
電話はフリーダイヤルの連絡先を確認するようにし、相談内容が複雑であったり、家の査定もして欲しいといった場合は訪問相談を依頼しましょう。
なお、いずれ家の売却を行うためには、例え任意売却であっても室内状況を確認することが必要になります。
もちろん電話での相談後に実際に家に訪問してもらうことになっても、費用を取られるということはありません。
逆に何らかの費用を請求してくる任意売却会社がいたら、悪徳である可能性が高いので断るようにしましょう。
不動産に関わるローン・離婚・相続・債務整理の相談ができる
任意売却の会社には、不動産に関わるローン・離婚・相続・債務整理のなどは幅広い相談をすることができます。
不動産を任意売却する場合に、その他借入がある場合や、離婚に伴う共有名義資産の処分、また、相続を伴う複雑な不動産であるなど、多種多様な相談内容であっても相談は可能です。
そして、「任意売却をしたいと思っているけれども、多額の債務が残ってしまうのでその後の生活が不安である。」といった場合には、自己破産などの債務整理を検討する場合があります。
このように少し不動産とは離れたお金に関する相談(ライフプラン)も任意売却に絡む内容はとても大切な部分であり、この問題を無視はできず、しっかりと相談するようにしましょう。
任意売却を開始する前に、確認しておくことで、不安がない状態で進められます。
任意売却は実質持ち出し資金なく行える
そして、相談だけでなく実際の依頼をしたとしても、任意売却は実質持ち出しなく行えます。
任意売却が成立しても一切、お金が掛からない理由としては、債権者(保証会社)が、家の売却金額の中から、必要経費として認めてくれるからです。
このとき認められる項目は、仲介手数料と抹消登記費用という必ず売却時に掛かる費用です。
また、場合によっては滞納管理費や修繕積立費、引越し費用も認められることがあります。
【図】任意売却成立後の配分の仕組み
ただし、売買契約成立時に契約書に貼付する印紙代は売主の負担となることが多いため、先に不動産会社に確認をしておきましょう。
売却諸経費は決済時の精算
では、支払いのタイミングですが、この売却諸経費は決済時の精算となります。
決済とは物件の所有権が移動する日であり、銀行で手続きをします。
このとき売却代金より諸経費の振り分けを行いますが、基本的には依頼した不動産会社が対応していますので、費用を改めて持参して払うといったことはありません。
任意売却が成立しなくても費用は掛からない
万が一、任意売却が成立しなくても費用は掛かりません。
任意売却は債権者の同意があって成立するため、(詳しくは>任意売却について)任意売却を希望しても行えない場合や、任意売却の販売活動自体が出来ても買い手が見つからないまま、競売の期日が来てしまったときは不成立となります。
ただし、仲介手数料などの報酬はあくまでも不動産が売却できて初めて発生する費用です。
途中までの販売活動で掛かった手続き費用や相談費用を請求されることはないため、安心して相談することができるのです。
※依頼した不動産会社より説明がなかった場合は確認することをおすすめします。
任意売却の相談は経験の多い不動産会社に相談する
では、2章ではどのような会社に相談したらよいのか、どのような会社は気を付けるべきかを説明します。
確実なことは、任意売却の相談は経験の多い不動産会社に相談することが大切です。
任意売却は不動産売買の分野の中でも非常に特殊な領域で、一般的な不動産会社では扱ったことがないということがほとんどです。
従って、任意売却を専門で扱っている不動産会社でないと対応できずになかなか進まないといった相談もあります。
そのため、任意売却を専門としている会社である方が良いとされており、実際に販売活動を行う中での様々な問題の対処法の知識も持っていることは安心できるのではないでしょうか。
ではどのような基準で選べばよいのかを解説します。
任意売却の後まで相談に乗ってくれる会社を選ぶ
任意売却した後まで相談に乗ってくれる会社であるかがポイントです。
任意売却は、不動産を処分するだけではなく、売却後の債務、そのほかの債務の解決までを一通りサポートが必要であり、新生活のスタートのことまで考えておかないと、問題は解決しません。
そのため、不動産が売れた後の生活こそ大切であるとして、相談に乗ってくれたかが重要です。
関連記事:「任意売却の相談先はこう見極める!本当に良い業者を選ぶ7つの基準」
相談を避けるべき会社とは
逆に相談を避けるべき会社とは、相談時に「必ず売れますよ」や「高く売った方が良いですよ」といった何の保証もないままに売却を促されたときです。
任意売却はただ不動産を売れば良いというものではないからです。
上記のように相談時から話している場合は、任意売却自体をそもそも取り扱ったことがない不動産会社の場合があります。
通常一般売却であれば、高く売れるほど売主の手元に資金が残るため正しい判断ではあるのですが、任意売却の場合は不動産以外にある債務や状況を考慮して最善の方法が変わることがあるからです。
競売を避ける為には早めの無料相談を行う
また、前述したように必ず任意売却を開始したからといって成立(買い手が見つかる)までは競売まで粛々と進んでしまう為、競売を避ける為に早めの無料相談を行うほうがよいでしょう。
(詳しくは>競売の流れ)
競売申立て後でも相談は可能である
ただし、差押・競売開始になってしまっても任意売却に切り替えができます。
正確には、同時進行しているということでありますが、まだ相談することで競売を避けられるかもしれません。
しかし、競売の開札日が近づくようになると、期日までに手続きとして間に合うのか、競売の申立て費用をどうするのかといった問題が増えます。
もちろん、残された期間が短くなればなるほど、買い手を見つけるのが困難になり、結果、競売の取下げができないケースにも繋がりやすい為、結局は早めの相談が適切ではあるでしょう。
まとめ
今回は、任意売却の相談は無料で行えることを説明しました。
相談内容は、いま抱えている不安を少しでも無くすために、些細なことでも可能です。
実際には、無料相談のなかで「売却しなくてもよくなりました。」、「任意売却の前に出来ることがあるかもしれない。」
といった解決に繋がる事例もあります。
任意売却の相談は無料であるため、まずは気軽に相談することをお勧めしています。