失敗しない任意売却業者の選び方~間違えると大変なことに?

ここ数年で、任意売却に関するホームページが大幅に増加している印象です。

任意売却は、一般の不動産売買とは全く異なる知識や経験が必要ですので、これまで少なかった一般の方が任意売却を相談できる窓口が増えたことは喜ばしいことだと思います。

一方で、それほど実績や経験がないのに、集客の切り口として任意売却を謳っている不動産業者も散見されます。

任意売却はあくまでも不動産売却の一種ですが、債権者との調整や債権の流れなどを把握している業者を選ばないとなかなか成功しません。

それどころか、想定していなかったデメリットやリスクが出てきて、取り返しのつかない事態になってしまうこともあります。

そのようなことにならないよう、しっかりとした実績や経験、知識のある任意売却業者を選別するために、その見極めのポイントを紹介します。

 

これまでの任意売却実績は?

前述の通り、任意売却は一般の不動産売買とは異なる知識やノウハウが必要です。

不動産業界に長く従事されている営業マンでも、「任意売却はやったことがなくてわからない」ということが珍しくありません。

そのため、一般の不動産会社ではなく任意売却に専門特化していて、これまでに多数の実績がある業者に依頼するのが、任意売却を成功させるための絶対条件です。

目安としては、過去に1000件以上の任意売却を扱っているかというのが最低限の基準になるかと思います。

 

地域密着型か全国対応型か?

これは意見が分かれるところですが、基本的には地域密着の業者に依頼することをお勧めしています。

理由は、金融機関により任意売却の手続きや条件が異なるからです。

そのため、依頼者が住宅ローンを借りている金融機関で任意売却の実績があるかどうかが大きなポイントになります。

当然ながら、地域に密着してなければ各地域の地銀や信金の任意売却の手続きは把握できません。
従って、「全国で何件の実績があるか」よりも「その地域で何件の実績があるか」の方が、任意売却業者を選定するうえで重要な指標になります。

 

面談時に注意する点は?

任意売却業者に相談をした際に、その業者に本当に経験やノウハウがあるか、あるいは本当に親身になってアドバイスをしてくれているのかを見極めるために、以下の点に注意して相談を受けるようにしましょう。

 

デメリットやリスクを説明してくれるか?

任意売却は、競売と比較した際に大きなメリットがある一方で、当然ながらデメリットやリスクもあります。

例えば、下記のようなデメリットやリスクです(※競売でも同様です)。

・信用情報に傷が入る

・任意売却後に残った残債の分割返済に応じてもらえないケースがある

・連帯保証人がいる場合、残債を連帯保証人にも請求される

・連帯保証人に持ち家などの資産がある場合は差押えられる可能性もある

・銀行からの電話を無視し続けると給与を差押えられることがある

担当者が仕事がほしいばっかりに、これらのデメリットやリスクをしっかり説明せずに一方的に任意売却を勧めてくる業者もいます。

そのような業者に依頼してしまうと、後で想定外の問題が発生する危険がありますので注意が必要です。

 

任意売却後の残債への提案はあるか?

任意売却はあくまでも住宅ローンの債務を圧縮して生活再建を図るための手段です。

任意売却した後に返済の負担を軽減して生活を再建するためには、任意売却自体を成功させることも当然ながら、その後に残った残債をどのように処理するかが重要なポイントです。

しかし、その部分の提案がなく、売却の話ばかりしている業者はそもそも依頼者の生活再建の意識が薄いと言えます。

 

住宅ローン以外の債務に関するヒアリングや提案はあるか?

前項と同様ですが、任意売却をしてもその後の生活の負担が軽減されなければ意味がありません。

住宅ローンなどの支払いが困難になってしまった方の中には、消費者金融やカードローンなど住宅ローン以外の借金にも追い詰められていることが珍しくありません。

本当の意味で生活をリスタートするためには、これらの債務も総合的に考えて返済の負担を軽減する必要があります。

場合によっては、住宅ローン以外の債務も含めて債務整理をした方が良いケースもあります。

任意売却業者に相談する際は、そういったことを総合的に提案してくれる業者かどうか見極めるようにしましょう。

 

NPO法人や一般社団法人は要注意?

最近では任意売却に関するNPO法人や一般社団法人、公益社団法人などが多数設立されています。

一般の企業は営利目的なのに対して、これらの法人は非営利法人ですので、一見これらの法人のほうが親身に相談に乗ってくれるような気がします。

しかし、任意売却ができるのは「宅建業登録」をしている業者だけです。
NPO法人や一般社団法人はこの宅建業登録をすることができません。

ではこれらの法人はどのようにしているかというと、相談だけ無料で引き受けて、実際の手続きは宅建業登録している業者に引き継ぐのです。

ここで注意しなければならないのは、NPO法人や一般社団法人が紹介してくれた業者は、大抵の場合その法人と代表者が同じか、何らかの関係がある業者であるということです。

結局は、入り口だけ非営利法人で相談を受けて、最終的には自分の会社に回して利益を得るか、提携先に紹介して紹介料を得るというビジネスモデルになっているわけです。

悪質な場合は、その紹介先がほとんど任意売却の実績がないケースもありますのでご注意ください。

 

「大手だから安心」はウソ?

結論から申し上げると、任意売却に大手不動産会社は不向きです。

その理由としては次のようなことが挙げられます。

 

任意売却の経験やノウハウが豊富な担当者が少ない

まず、大手不動産会社は基本的に任意売却を積極的扱わないため、任意売却の経験やノウハウが豊富な担当者が少ないのが実情です。

もちろん、大手企業は多数の社員がいますので、任意売却の経験がある社員もいるかもしれませんが、その人が対応してくれるかどうかは分かりません。

 

いちいち稟議が必要で融通がきかない

任意売却は、債権者とのやり取りの中で多数の書類(社判を押印したもの)の提出を求められます。

また、場合によっては引越代の立替など、業者が先に費用を負担しなければならないこともあります。

大手の企業では、このような対応にいちいち会社稟議(上司や本部の承認)を取って対応しなければならないため、稟議が降りなかったり時間が掛かったりして、頓挫するケースが珍しくありません。

 

フランチャイズも要注意

同じようにフランチャイズ系の不動産会社も要注意です。

フランチャイズは同じ看板を掲げていますが、実態はそれぞれ別企業です。

そのため、任意売却ということに関して言えば、同じフランチャイズでもノウハウがある店舗とない店舗がありますので、慎重に見極める必要があります。

 

こんなことを言う会社も要注意

前述の「面談時に注意する点」と同様ですが、下記のようなことを言ってくる業者も要注意です。

 

「絶対に大丈夫」

任意売却はあくまでも一般の不動産売却と同様で、買い手が現れなければ成立しません。

また、売却価格などについて債権者の同意も必要です。

これらの複数の要素が絡み合ってきますので、任意売却に「絶対」はありません。

仕事欲しさに絶対成功しますと言ってくる業者は、逆に任意売却の経験が少ないと思ったほうが良いでしょう。

 

「リースバックで住み続けられます」

最近、任意売却のご相談で多いのが「リースバックで住み続けたい」というご要望です。

しかし、任意売却でリースバックを成立させるためには様々なハードルがあり、実際に成立する可能性は決して高くありません。

にもかかわらず、住み続けたいという依頼者の想いに付け込んで、リースバックがほぼ確実にできるような口調で提案してくる業者が増えているようです。

このような業者に依頼してしまうと、「やっぱりリースバックはできませんでしたので、普通の任意売却に切り替えます」と後で言われてしまうのが落ちです。

もちろん、リースバックが成立するケースもありますので、ご希望の方は相談はしてみるべきだと思いますが、その条件やリスクについてしっかりと説明をしてくれるかは確認するべきでしょう。

 

「高額な引越代を渡せます」

引越し代についてもトラブルが多い要素です。

「高額な引越し代を保証する」と言っておいて後で「やっぱり出ませんでした」とか、そもそも「絶対に出ると言っていません」など、言った言わないの問題で揉めることが珍しくないようです。

引越し代も、あくまでも債権者の同意が必要ですので絶対はありません。

美味しい話に乗りたい気持ちはわかりますが、冷静な判断をするように心がけましょう。

 

まとめ

任意売却を検討する方は、ほぼすべての方が初めての経験のはずですので、業者の良し悪しの判断が難しいと思います。

しかし、任意売却は依頼する業者を間違えると、取り返しのつかないような事態に巻き込まれてしまうこともあります。

選定の基準として総じて言えることは、良いことばかり言う業者は信用してはいけないということです。

場合によっては複数社に話を聞いてみることも良いかもしれません。

現状の債務や生活状況を総合的に判断し、リスクもきちんと説明したうえで、任意売却した後の生活も含めて考えてくれる業者を選ぶようにしましょう。

 

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