生活を立て直すために今すぐ実行!住宅ローンを滞納時の5つの対処法
「もう限界かもしれない…住宅ローンの滞納が今月で3回目になっている。どうしても払える見通しもなく、相談すべきところもわからない。」
住宅ローンの滞納をしてしまったら、この先どうなるのか。誰もが、一度も経験をしたことがないことなので不安を抱えていませんか?
住宅ローンの滞納が5~6カ月続いてしまうと、ご自宅の競売がスタートして強制退去となってしまうことも…
当社にかかるお電話の中には、
「既に住宅ローンの一括返済を求められ、競売になってしまうのでないか。」
「いつまで住めるのか、もう追い出されてしまうのか。」
「何とか助けてほしい…。」
と、窮地の状況からご相談をいただいております。
住宅ローンを滞納してしまった今この状況でも最悪の事態を避ける糸口があります。
そして、早期の対処ができることによって開かれる道があります!
ここでは住宅ローンを滞納してしまったご状況に合わせた対処法を5つご紹介します。
あなたの今後の希望の光になるように、生活再建に向けて動き出しましょう!
目次
住宅ローンを滞納した!あなたのとるべき5つの対処法
住宅ローンの滞納してしまった場合の対処法を5つご紹介致します。
早期に対処することによって大切なマイホームを守る方法や、競売という最悪の事態は避けられるかもしれません。
方法1.任意整理をする
向いている方:他の借金の負担が減れば住宅ローンの支払いは継続できる人
任意整理は、住宅ローン以外の他債務があり、その金額が比較的少額(※目安としては100万円以下の債務)の場合でかつ、毎月元金の返済が進まないくらいの高額な利息を払っている方にお勧めの対処法です。
他の借金の返済負担が軽減できれば、住宅ローンの支払いは問題なく継続できる方に向いています。
任意整理の概要
任意整理とは、債務の額自体は減額されませんが、債権者(貸金業者)との和解交渉をし、将来発生する利息をカットしたり、返済期限を延ばすことで、月々の負担を軽減する方法です。
他の借金の毎月の返済負担を減らすことで、住宅ローンを払っていける余裕を作ります。
また、任意整理は一部の債権だけを整理することも可能ですので、車を残したい方にも向いています。(車のローンは継続支払いが必要になります)
手続き自体は、裁判所を通さずに弁護士や司法書士に依頼するので、比較的簡単なこともあり検討しやすい方法になっています。
デメリットとしては、信用情報に傷が入ることになり、債務全額の返済が完了するまでは信用情報の回復にならない為ご注意ください。
※信用情報の回復とは、再びローンなどが組めるようになることです。
任意整理の注意点
任意整理では住宅ローン以外の借金(カードローンや消費者金融など)の借金の負担を減らすことができますが、住宅ローン自体を減額することはできません。また、借金の元金自体も減らすことはできないため、軽減できる月々の返済額がそこまで大きくならないこともあります。
そのため、住宅ローンだけでも返済が厳しいという場合は、根本的な解決策にはならない可能性が高いと言えます。
方法2.個人再生(住宅ローン特則)する
向いている方:住宅ローン以外に多額の借金がある人
個人再生は、住宅ローン以外の他債務が100万円以上の高額であるとき、この債務を大幅に圧縮する方法です。
安定した収入があることが条件(正社員の方など)となりますが、他の債務のご返済の目途が立てば、住宅ローンの支払いは余裕をもって継続できる方に向いています。
また、任意整理と比較して信用情報を早く回復させたい方(ブラックリストを回復させたい方)にお勧めの対処法です。
ブラックリストとは
信用情報が回復するまではローンを組めなくなるため、クレジットカードが使えないこと、一定の基準のある賃貸住宅に住めないこと、自動車購入やリフォーム、学費等まとまったお金がいるときにローンが組めず困ることがあります。
個人再生の概要
個人再生とは、裁判所を通して債務を5分の1程度に圧縮し分割払いをする手続きです。
分割払いは原則3年間で行い、特別な事情がある場合には、裁判所の許可をもらって最長5年とすることができます。
※債務は100万円以下にはならないので最低100万円を原則3年間で払います。
例えば、1000万円の債務がある場合は、200万円まで圧縮されます。
200万円の債務がある場合は100万円までの圧縮です。
こうして住宅ローン以外の借金を圧縮することで、住宅ローンを支払える余力を作るのです。
個人再生の注意点
本来、個人再生は一部の債権のみ整理(圧縮)することはできませんが、「住宅ローン特則」という制度を使うことで、住宅ローンと家を残して個人再生をすることができます。
ただし、住宅ローン特則では住宅ローン自体は減額できませんので、住宅ローンだけでも支払いが厳しいという方には適用することができません。
あえて任意整理と比べてデメリットを言うとしたら、官報に掲載されることと、裁判所を通すため手続きには時間がかかり、費用自体も任意整理よりかかります。
方法3.リースバックをする
向いている方:自宅を売却しても、そのまま住み続けたい
リースバックは、持ち家に住み続けながら売却して、ローンを返済したい方にお勧めの対処法です。
住宅ローンが払えなくなり、売却せざる得ないが、そのまま住み続けたい方に向いています。
リースバックの概要
リースバックとは、持ち家自体は、第三者(不動産会社や投資家)へ売却をして、売却後に賃貸借契約を結び、そのまま自宅に住み続けることができる仕組みです。
これにより、家を売却した後も賃貸物件として家賃を払うことで、引っ越さずに済みます。
また、将来的に買い戻しを希望する場合、買い戻しを特約とすることもできます。
生活にゆとりが出来た時や、退職金などまとまったお金でご自宅を買い戻すことができるメリットがあるのです。
リースバックの注意点
リースバックを成立させるには「売却代金で住宅ローンを完済できること」ということが非常に大切なキーワードとなります。
ローンの残債が多く、売却しても住宅ローンを全額返済できない場合は、リースバックが成立しないこともありますのでご注意ください。
また、リースバックの家賃は自宅を売却した価格に比例して設定されますので、家賃が相場よりも高くなってしまうこともあります。
リースバックは「新しい資金調達の方法」と呼ばれており、取り扱う会社が増えています。
ただし、手続きが複雑な場合があること、そもそもの不動産価値を正しく評価してくれる会社を選ぶ必要があるため、リースバックをする際は知識・実績が多い会社を選ぶことが大切になります。
賃貸契約内容の確認や、買い戻し特約に関してもしっかり確認したうえで行ってください。
方法4.親族間売買をする
向いている方:親族間で購入できる方がいる
親族間売買は、ご親族の方が現金で買えるなど条件がそろった場合にはお勧めの対処法です。
この方法によれば、親子間でのリースバックとして賃貸できるからです。
住宅ローンが払えなくなり、この先も支払いに不安があるため売却したい。
親族間で購入できる方がいた場合に向いています。
親族間売買の概要
親族間売買とは、持ち家をご親族の方に売却したお金で住宅ローンを一括返済し、親族から賃貸として借りて、住み続ける仕組みになります。
ただし、お子様やご親族の方がお手持ちに現金があり、買うことができれば成立する可能性は高いですが、銀行ローンにて融資を受けてから売買をしようと思うと非常にハードルが高く、なかなか成立しないのが現状です。
本来であれば、不動産はいずれ相続により引き継がれます。
それを早々に売買にて買いたいということで、銀行側が色々なリスクを考えて融資をしなくてはいけないことが原因です。
親族間売買の注意点
下記、親族間売買の3つの注意点となります。
① ローン残債の一括返済が必要である。
② 買う側の親族の方の融資が通りにくい。
③ 親族間売買が成立してもその後、「みなし贈与」として問題が生じる場合がある。
一見すると、第三者に売却するよりもご親族のほうが簡単に売買できるような気もしますが、通常の売却よりもリスクを含んでいるため必ず専門家を交えて取引を行ってください。
方法5.任意売却をする
向いている方:住宅ローン・多重債務から解放されたい
ご自宅を手放すことによって新しい環境にて再出発したい方や、リースバックや親族間売買が条件には当てはまらなかった方にお勧めの対処法です。
滞納を既に4~6カ月してしまい銀行から代位弁済のお知らせが届いた。
このままでは競売になってしまう…という方にご検討いただいています。
この先の住宅ローンを返せる見込みがなく、住宅ローン以外にも借り入れがあるなど多重債務の不安から解消され、生活再建をされたい方に向いています。
任意売却の概要
任意売却とは、債権者の許可を得て、住宅ローンを残した状態で売却することで競売を回避する方法です。
一般的に不動産の売却は、住宅ローンの残債が通常の売却価格(不動産査定価格)を上回っていた場合、抵当権を外せないため売却できません。それを、任意売却の申し出を行い、売却できるよう交渉するのです。
任意売却の注意点
重要なポイントは、債権者の許可を得てというところですので、勝手に売却をすることは出来ないため、専門の不動産業者に依頼をして売却をすることになります。
住宅ローン以外の借り入れに関しては、ご自宅の売却後に、債務整理の必要性はありますが、心機一転生活を始められるでしょう。
また、任意売却はあくまで引越しが必要になりますので、転居先を確保する必要があります。
住宅ローンを滞納前なら間に合う2つの対処法
住宅ローンの滞納をまだされてない場合、下記2つの対処法もあります。
あくまでも滞納がないことが条件となりますのでご注意ください。
方法1.住宅ローンの借り換え
向いている方:金利が高くまだ返済が長期間残っている方
金利の影響を受けやすい、金利が高く返済期間が長い方の場合、お勧めの対処法です。
現在日本は、「超低金利時代」と呼ばれており、住宅を購入したのが仮に10年前の場合、当時の金利と比べると半分以下なのです。
つまりこの金利差を利用して毎月の返済額が減らすことができるのです。
毎月の固定費が月1万円下がる可能性もあり、これによって生活に余力がでる方に向いています。
住宅ローン借換の概要
他銀行にて借り入れたお金で現在借りている住宅ローンを一括返済し、以後は新しく借り入れた銀行で住宅ローンを払っていくということですが、
下記ケースにてどの程度差額が生じるのか、ご説明します。
金利が借入当時2.0%、借換後0.78%のケース(諸費用も加味した場合)
●10年前に35年ローンで4500万円借り入れていた方の場合
●10年前に30年ローンで3500万円借り入れていた方の場合
●10年前に20年ローンで2500万円借り入れていた方の場合
借換の注意点
借り換え時の注意点もチェックしましょう。
注意点①
借り換えたい銀行によって条件は異なりますが、住宅ローンを借りるときに発生する保証料・事務手数料・登記費用といった諸費用があります。
借り換えの銀行によって異なりますが、諸費用は30~100万円以上かかる場合もある為、この諸費用を払った上で、総支払額が安くなるのかが重要なポイントです。
注意点②
借入当時に団体信用生命保険(団信)に加入していた場合です。
新しく借り入れをしようと思い、近年の入院歴があったことで団信に加入できなかったとして、利用できない場合があります。
フラット35など団信が加入義務でない商品もありますが、これこそ、長い目で見たときに団信がない借入はもしもの時に、不利になる恐れもあるのです。
注意点③
「住宅ローン控除」の対象から外れてしまわないように要件をチェックしてください。
借り換えをしたことによって、控除が無くなってしまう場合があります。
要件は、
1.借り換えた住宅ローンが当社の住宅ローンを返済するためのもの
2.借り換えた住宅ローンが10年以上の長期償還のものであること です。
方法2.住宅ローンのリスケジュール
一時的な病気・転職等の原因により収入が落ちてしまい、住宅ローンの支払いが1~2年ほど厳しいが、回復後は再び元の支払いが可能になる方にお勧めの対処法です。
現在お借入れしている銀行に事情を説明し、返済期間・毎月の返済額を見直し、一時的に支払いを楽にすることが可能です。
リスケジュールは、借入銀行の返済相談窓口にて対象条件の確認及び、相談に乗ってくれます。
リスケジュールの概要
例えば、住宅ローン返済期間が35年を超えない範囲で、残り10年ローンを15年ローンに組み直す「返済期間の延長」や、一時期的な資金難だった場合は、半年~1年間に限り利息のみを支払い元金の支払いは待ってもらう、「元金措置の期間」を取ってもらう方法もあります。
リスケジュールの注意点
リスケジュールは、あくまでも一時的に返済を楽にするための手法です。逆に返済期限を延ばすため、返済総額はむしろ増えてしまいます。
従って、慢性的に返済が厳しいという方にの場合、負担を後ろ倒すだけで逆に後々の返済が厳しくなってしまうのです。
特に、「完済時期」が何歳の時なのかもよく考えた上で検討する必要があります。
元々が65歳完済に設定していた場合、5年延びることによって70歳の完済となるわけですから自身が健康で働けているかという新たな不安要素も出来ることでしょう。
また、前述した住宅ローンの借り換えをすることも難しくなるため、リスケジュールを行うのであるならば、回復後の返済プランも一緒に考えることが大切になります。
以上、住宅ローンの滞納中と滞納前で取り得る対策を解説してきましたが、状況別のお勧めの方法は以下の通りです。
住宅ローンを滞納した時に絶対にやってはいけないこと
第1章では、住宅ローン滞納時に取るべき対処法をお話し致しましたが、この滞納時に絶対にやってはいけないこともお伝えします。
銀行からの督促を無視し続ける
銀行からの連絡には出るようにしましょう!
住宅ローンを滞納して数カ月経つと、銀行側から督促が入ります。
もちろん銀行側も貸したお金を返ってこないことを黙っているわけにもいかないため、何度か連絡が入ることになります。
連絡方法としては、「督促の記録」を残すために、はがき・書面が通常となります。
しかしこれを無視し続けると、気づいたときには、銀行から保証会社に代位弁済し、そのまま競売の申立てがされてしまっていたなんてこともありえるのです。
滞納時に取るべき対策をお伝えしましたが、すでに手遅れ…なんてことにならない為にも督促状が届いたらまずは、専門家へご相談ください。
借金をして住宅ローンの返済に充てる
「返済のためにお金を借りる」これは多重債務の入り口です。住宅ローンを払えるお金がないから、別でお金を借りることは決して行わないでください。
一般的の貸し金融業者の場合、住宅ローンの金利より遥かに高い利率となっています。家を守るために、と借り入れてしまうと、こちらの返済に追われることになり、結局は自宅の差押え、ということにもなりかねません。
一時しのぎの借入によってさらに状況が悪化してしまったということにならないように、直近でまとまったお金の当てがない場合は避けるべきです。
すぐに自己破産する
債務が多くなり住宅ローンも滞納してしまったからと自暴自棄になり、すぐに自己破産はおすすめできません。
まず、自宅を保有したまま自己破産をしてしまうと管財人費用がかかってしまうからです。
そしてこの自宅は資産として処分されます。
順番としては、前述でお伝えした任意売却をして自宅という資産を売却し、引越しをした後に、自己破産をすることです。
そうすることで、余分な費用を抑え、引越代も確保することが可能になるのです。
税金を滞納して住宅ローンの返済を優先する
この税金こそ最優先でお支払いください。
税金の支払いを後回しにして、先に住宅ローンを返済をしよう。という判断をされる方は多くいらっしゃいますが、税金は、自己破産などの債務整理をしても絶対に消えない債務になります。
この税金の滞納金額が多くなってしまうと、自宅を差し押さえられる可能性もあります。
差し押さえがネックとなり、任意売却ができなくなった…なんてこともあるのです。
(お住まいの市町村によって対応は異なりますので確認が必要となります。)
住宅ローンを滞納してしまっていた場合でも、税金を優先して払うようにしましょう。
まとめ 住宅ローンの滞納をほっとくとどうなりますか?
伝えたいことは、必ずほっといても解決する問題ではないということです。
自宅を失うだけでなく、家族や親族が連帯保証人になっていた場合などには信頼まで失う可能性もあるのです。
住宅ローンを滞納してしまったことが家族や同僚には言えずに悩んでいた場合は、まず専門家の力を借りてみてください。
そして今回の記事が少しでも参考になり、今まさに最悪の状況だとしても、何か手立てはあるものです。
今のご状況はどこに当てはまり、選択することが出来るのかを判断しなくてはいけませんが、債権者・法律などが絡み複雑なため、まずは「相談してみよう!」という気持ちで専門家の力を借りてみてください。