【不動産会社が解説】消費者金融で借入途中でも住宅ローンは組める?


マイホームを購入しようと考えた時、まず多くの方は住宅ローンでの購入を考えます。

このとき、「事前審査」を行うのですが、そのうち一定数の方が住宅ローンの審査に落ちてしまい、マイホームの購入を諦めざるを得なくなります。

この住宅ローンの審査に落ちてしまう理由のひとつが、消費者金融から借入があることです。

住宅ローンの審査では銀行が重視している項目として、物件の担保価値と人の信用情報の2点が有り、このうちの信用情報については、消費者金融などからの借入の有無をみているからです。

借入があることでローンの返済能力に不安要素があると判断され、借入額の減額もしくは、借り入れの不可という結果にも繋がってしまうのです。

ただし、実は消費者金融での借り入れがあっても諦める必要はなく、返済比率に収まれば、住宅ローンは組めるようになる可能性があります!

消費者金融での借り入れがある状態での住宅ローンについて詳しい知識をつけ、審査に通る方法もしっかり確認しましょう。

消費者金融で借り入れがあっても住宅ローンは組める

消費者金融からの仮りれは住宅ローンの審査が通らない理由のひとつとされていますが、実は消費者金融で借り入れがあっても住宅ローンは組むことは可能です。

消費者金融での借入履歴があるからと、必ず住宅ローン審査に落ちるというわけではありません。

仮に、「先月は少し用立てなくてはいけなく、30万円の借入をしてしまった」としてもそれだけが理由となり落ちるということではないのです。

落ちる可能性が高くなるのは、複数の消費者金融から借りているときや、高額な借金の場合です。
たくさんの借入があることが分かると、住宅ローンを確実に返済できる能力がないと判断されてしまうからです。

また、少額であってもあちこちから借入を繰り返していると、「この人はお金を借りる癖があり、完済していないのにまた新たな借り入れをつくるかもしれない。」と、マイナスの評価になります。

よって住宅ローンの返済能力に疑問があるとされた場合には、審査に落ちてしまうのです。

 

完済が融資の条件となってしまうことも

消費者金融からの借り入れがあると、自宅購入前にそれを完済することを条件に融資審査で通ることもあります。

完済した上に解約をすれば「これ以上消費者金融から借金をしない」と判断されるためです。

そのような審査結果が出た場合は、銀行とのローン契約の前に消費者金融からの借入を完済する必要があります。

このとき解約証明書を発行してもらうことを忘れずに行い、住宅ローンの審査時に提出することで住宅ローンの審査が通りやすくなります。

例えば、複数の借金があるとき、一つでも完済すると、借金の総額が減り返済負担率が下がることになるので、住宅ローンを組んでも大丈夫と判断される可能性があります。

複数の借入先があるときはどれを完済したらよいか、担当者に確認しましょう。

 

ちなみにこの借入額は、住宅ローンと消費者金融だけを視て判断してはいけません。

銀行系カードローン、クレジットカードのキャッシング枠、多種多様なカードのリボ返済、携帯電話の分割払い、自動車ローン、奨学金などの借入など全ての合計額なので注意が必要です。

この借金総額の返済比率がポイントになるのです。

 

住宅ローン借入額は返済比率が基準となる

住宅ローン借入額は返済比率が融資可否の基準となります。

返済比率とは、住宅ローンを組みたい人の年収に対する年間返済額の比率を言います。

住宅ローンの返済比率は、「年間総返済額÷年収×100」で算出され、住宅ローンを組める上限は金融機関によってその基準は異なりますが、一般的には30~35%が上限基準といわれています。

例えば年収400万円で住宅ローンの年間返済額が112万円として考えてみましょう。

112(万円)÷400(万円)×100となり、年間返済率は28%です。

月々の返済額は93,300円です。
これは住宅ローンの年間返済が、

年収の28%を占めていることになり一般的な数字といえます。

そして、この住宅ローンは毎月支払いとなるので、消費者金融の毎月の返済額と併せて考えることになります。

併せて考えた時に、通常の生活が営めるのかとしての総合的な判断を行い、銀行側が、「この方は借入を繰り返しているのに、この月の負担は大きいのでは?」と感じた場合、審査に通らない可能性となるのです。


消費者金融で滞納歴がある時、審査は通らない

返済比率的に問題なくても、消費者金融で滞納歴がある時は住宅ローンの審査が通らない可能性が高くなります。

住宅ローンの審査では個人信用情報機関への照会を必ず行っています。
このため、個人信用情報機関に滞納歴があるとその情報は、銀行側はチェックしており審査に不利となってしまうのです。

金融トラブルの情報は信用情報期間に5年~10年は記録が残っていますので、この間審査は絶対に通らないと考えなくてはいけませんが、支払期日をうっかりと忘れてしまい、間に合わなかったというときには、すぐに支払っていれば滞納歴としては記録されないこともあります。

しかし、何度も遅延していたり、督促に応じずにいると信用情報に登録されることもあるため注意が必要です。
信用情報に事故情報さえ書かれなければ、銀行もわからないので審査に影響することはないということなのです。

ご自身の遅延に不安がある場合は先にCIC等信用情報機関に開示請求することがおすすめです。


クレジットローンがある場合に使い方が審査に響くこともある

クレジットローンがある場合に使い方が審査に響くこともあります。

現在日本は、カード社会であり、ETCや普段の生活での買い物、携帯機種・携帯料金に関わる多くの支払いにクレジットローンは使われることがあります。

中には金額的には少額であるが割賦払いのほうが生活スタイルに合っているからと、購入時に分割払いを設定している方も多く、「まさかあの支払いも審査に響いているとは考えなかった」ということもあるのです。

住宅ローンの審査では総合して返済比率を考慮しているため、気を付けなくてはいけません。

また、「黙っていればごまかせるのでは?」と考えている人もいるかもしれませんが、少額ローンやキャッシングの情報は全て信用情報機関に登録されており、利用状況は一定期間消滅しません。

事実を隠して申し込んだとしても必ず履歴は確認されているので、未申告という事態は避けたほうが良いでしょう。

 

融資が通りやすい方法を考える

次に、融資が通りやすい方法を考えることも審査を通すために大切です。
先述した通り、返済比率が審査を通す基準となっているため、初めからこの比率が超えていては、滞納歴が無くても通らないからです。

 

ペアローンや連帯保証人を考える

そんな時は、ペアローンや連帯保証人を考えることで審査が通りやすくなります。
共働き世帯であれば、2人の収入を合わせて申し込むことで、借入額を増やしたり、連帯保証人を付けることで、審査に影響するということです。

この夫婦で住宅ローンを借りるパターンは大きく3つあり、それは①ペアローン、➁収入合算と呼ばれる連帯保証型、③連帯債務型です。

簡単に説明すると、

①ペアローンは、

夫婦それぞれに審査し、借入額が決まり融資を受けて持ち分を割合に応じて登記します。
➁収入合算の連帯保証型は、

夫婦共同で審査し借入額が決定、お互いに保証するということになります。

このとき持ち分は2分の一ずつですが、連帯債務ということになります。
③連帯債務型は、

収入合算はしませんが、連帯保証人として審査を行います。

持ち分は主債務者のみですが、万が一返済が滞った場合には連帯して保証しなくてはいけません。

こうして、融資金額が承認されると、希望する物件の条件をより上げることができます。

また、ペアローンはメリットもあり、住宅ローン控除を夫婦それぞれで受けることができるので、節税効果も期待できますので、返済比率を計算したうえで、どのようにローンを組むか相談しておくとよいでしょう。

 

分譲会社・不動産会社の提携銀行を使う

次に、分譲会社・不動産会社の提携銀行を使うと審査が通りやすくなります。

提携銀行は、その対象物件を購入する人用に準備されていたり、不動産会社が独自で提携先をもっていることがあります。

通常のローンと比べ、金利などの条件が優遇されていることがメリットです。
このとき審査金利も優遇されていることがあるため、他社銀行の返済比率が問題でローンが組めない時でも問題なく組めることがあるのです。

まずは、提携先の銀行にすることができるかも確認してみましょう。

 

 消費者金融での借り入れがあっても通りやすいフラット35

さて、それでも都市・地方銀行などでの住宅ローンは厳しいとなった場合に、消費者金融での借り入れがあっても通りやすいのがフラット35です。

フラット35とは、住宅金融支援機構が民間の金融機関が提供している長期固定金利住宅ローン商品です。
つまり、行政が住宅購入の支援をしているということであり、他住宅ローンが厳しい場合にも通りやすくなるのです。

 

審査金利に違いがあり、審査が通りやすい

まず、審査金利に違いがあり、それによって審査が通りやすくなります。
銀行では審査金利として実行金利(実際の支払う金利)より高い金利で審査をするのですが、フラット35の審査金利は当月の適用金利とされており、初めから低い金利での審査が可能です。

これにより、借入金額が希望条件にあった金額で承認されることになり、希望の自宅が購入できることに繋がります。

 

完済条件が付くことで過去の借り入れは審査に影響しない

また、完済条件が付くことで過去の借り入れは審査に影響しないという特徴があります。

例えば、本来マイカーローンなど返済中のローンがあれば先に完済しておかないと審査に通りにくくなり、使い方によっては、年収に余裕がある場合でも審査に影響するケースもあります。

ただし、フラット35では、「融資実行前に完済すれば融資する」という条件付きで融資が通る場合があります。

現在返済中のローンがあっても、これから借りる住宅ローンが無理なく返えせるのであれば問題ないとするのです。
※銀行審査でも、完済条件により融資が通ることもあります。

 

自営業者・母子家庭・非正規雇用でも通りやすい

次に、自営業者・母子家庭・非正規雇用でも通りやすいということです。

フラット35は公的融資として考えられ、銀行の住宅ローンと比較して自営業・母子家庭・非正規雇用の人でも融資の対象となっています。

 

フラット35の返済負担率の基準があり、この条件をクリアできれば、良いということです。

フラット35の返済負担率の基準
  返済負担率 年間返済可能額
年収400万円未満 30%以下 年収×30%以下
年収400万円以上 35%以内 年収×35%以内

※年収400万円未満であれば30%以下、年収400万円以上であれば35%以内
年収400万円の人であれば全ての借入の返済額を年間120万円以内に納めなければいけません。


このように、フラット35の融資条件は、都市・地方銀行とは異なる為、事前に不動産会社に相談し、自身にあった融資先を選択することも大切です。

 

消費者金融で借り入れがあっても自宅を購入すべきなのか

さて、消費者金融で借り入れがあっても自宅を購入すべきなのかということも考える必要があります。

住宅ローンは30~35年という長期で組まれることが多く、実際には30年先をしっかりと想像することは難しいからです。
ただし、現在他での借り入れがあるのであれば、再度、下記も検討し専門家に相談することも大切です。

 

返済比率内だとしても実際の生活を仮定すること

まずは、返済比率内だとしても実際の生活を仮定してみましょう。

家計簿などを見返して、収入や支出の把握を行ってから、住宅ローンの返済金額を確認しましょう。

特に、返済中のローンがある人は、「毎月いくら返しているのか」「いつ完済するのか」といった返済計画表をつくっておくといつ頃に購入することがよいのかが分かり、また今購入しても数十年後には繰り上げ返済が可能になるなど、知ることができます。

また、仮審査の際に返済状況を申告するときにも役立つので購入前に把握するようにしましょう。

(類似記事>適正な住宅ローンの返済比率

 

家計を見直すことで購入すべき不動産の再検討もする

この家計を見直すことで購入すべき不動産の再検討もするとよいでしょう。

住宅ローンを検討しているときは、どれだけ低金利で希望額を借りられるかを考え、審査に落ちないことばかり気にしてしまいますが、本当に重要なことは無理なく返済ができることです。

返済負担が重くなると返済が滞るリスクが高くなってしまうことから、一度購入するべき不動産を見直すことも重要なのです。

 

まとめ

今回は、消費者金融で借入途中でも住宅ローンは組めるのかについて解説致しました。

結果として、他の借り入れがあっても住宅ローンは組むことが可能です。

ただし銀行側の返済比率による審査が通ったからと言って、支払いが継続することを忘れてはいけません。

消費者金融での借り入れは、できれば完済してからの住宅ローン借入が良いとされているのは、万が一支払いが難しくなるリスクを減らすためです。

借入額の相談などは専門家にして、自身にとって無理のない計画なのかも見直してみましょう。

 

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