自己破産しても賃貸は借りられる!実績100件超の方法と注意点を解説

 

借金やローンを返せず自己破産を検討されている方にとって、「今後住む家を確保できるのか」など今後の生活がどうなるのかが最も不安な点ではないでしょうか。

当社にも以下のような不安をお持ちの方から多数のご相談が寄せられます。

 

・自己破産して今の持ち家を処分しなければならないが、賃貸の家は借りられるのか?
・自己破産をすると今の賃貸住宅から追い出されないか?
・将来的に転居する際に賃貸住宅を借りられるのか?

結論としては、自己破産しても賃貸の家を借りることは可能です。
また、今賃貸にお住いの方も自己破産を理由に追い出されることはありません。

実際にこれまで当社へご相談をいただいた方のうち、100名以上の方が最終的に自己破産を選択されましたが、住む家が見つからずに路頭に迷ったという方は1人もいらっしゃいません。

ただし、「賃貸を借りづらくなる」「借りられる物件が一部制限される」のは事実です。

ここでは以下のことを解説してきます。

・自己破産しても借りられる賃貸物件の特徴
・自己破産してもスムーズに賃貸物件を借りるためのコツ

 

自己破産しても賃貸物件は借りられる

 

冒頭で述べた通り、自己破産しても賃貸物件は借りることができますし、今の賃貸住宅から追い出されることもありません。まずはその理由と借りやすい物件について解説します。

 

自己破産は賃貸契約とは無関係

まず、自己破産しても賃貸物件を借りられる理由ですが、これは自己破産と賃貸契約には直接の関係がないためです。

自己破産は「今ある持ち家などの資産を処分(売却等)して、それでも返しきれない債務を免責(帳消し)にする手続き」です。

しかし、賃貸住宅はあくまで借りているものですので本人の資産ではありませんし、家賃も(滞納している場合を除いて)負債ではありませんので、自己破産の手続きとは何ら 関係ありません。

【現時点で家賃を滞納している場合は注意】

家賃自体は負債ではないため自己破産に影響ありませんが、「滞納している家賃」に関しては負債になります。従って、自己破産の時点で家賃を滞納していると、その滞納した家賃を免責することはできますが、その代わり賃貸契約を解除され強制退去を迫られてしまう可能性があります。

 

審査に落ちる家賃保証会社も

自己破産をしても賃貸契約には関係ないとお伝えしましたが、これまでと全く同じように賃貸物件を借りられるわけではありません。

自己破産により信用情報に傷が入り(いわゆるブラック)、家賃保証会社の審査を通らない可能性が出てくるからです。

近年ではほとんどの賃貸物件で家賃保証会社との契約が入居の条件となっているため、自己破産して信用情報に傷が入ると、保証会社の審査に通りづらくなってしまい、結果として借りられない物件が出てきてしまうのです。

 

信販系の家賃保証会社はほぼNG

家賃保証会社には会社ごとに独自の基準があり、審査が厳しい会社と緩い会社があります。
また、審査の方法も会社によって異なります。

その中で、自己破産をしてしまうと審査が通りづらくなるのが「信販系」と言われる家賃保証会社です。

信販系の会社は審査の際に「信用情報機関」に照会をかけるため、信用情報に傷が入っているとそれをチェックされてしまうのです。

【信販系の家賃保証会社の例】

・オリエントコーポレーション(オリコ)
・セディナ
・セゾン
・アプラス
・ジャックス
・ライフ
・エポスカード  など


信販系以外は自己破産しても審査に通りやすい

自己破産をしてしまうと信販系の家賃保証会社の審査は通りづらくなりますが、それ以外の家賃保証会社(信用系)は自己破産しても審査を通過できることがあります。

理由は、信販系以外の家賃保証会社は信用情報機関への照会をしないため、自己破産したことが保証会社に知られないからです。

そのため、自己破産したか否かよりも「現在の収入と家賃のバランス」が重視される傾向にあります。

ただし、あくまでも自己破産したことを知られないだけであり、必ずしも審査を通過できるわけではありません。

また、信用系の家賃保証会社は審査基準が各社独自で定められており、審査が厳しい会社と緩い会社があります。

【信用系の家賃保証会社の例】

・フォーシーズ
・全保連
・カーサ
・日本セーフティー
・アーク
・日本家賃保証(JID)
・ジェイリース
・近畿保証サービス など


家賃保証会社は原則オーナー指定

前述の通り、信販系の家賃保証会社では自己破産をすると審査が通りづらいため、保証会社なしか信用系の家賃保証会社で申し込みをする必要があります。

しかし問題なのは、原則として家賃保証会社はオーナー側(または管理している不動産会社)の指定であり、借主が自由に選べないという点です。

従って、信販系の家賃保証会社が指定されていて変更ができないとなると、その物件を借りることは難しくなってしまいます。

 

自己破産しても賃貸をスムーズに借りる方法

それでは、これまでご説明してきたことを踏まえて、自己破産しても賃貸住宅をスムーズに借りる方法を解説します。

 

ネットで物件を探すのは非効率

まずお伝えしたいのはインターネットで物件を検索して探すのは非効率ということです。

近年ではポータルサイトなどで希望の条件を入力して物件を探して、その物件を管理している不動産会社に問い合わせるという方法が賃貸物件を探すうえで主流になってきています。

しかし、自己破産をする場合は前述の通り借りられる物件が限られるため、希望の物件をネットで見つけて申し込んでも審査に落ちてしまう可能性があります。

また賃貸の場合は、募集中の物件でもポータルサイトに掲載されていない物件があったり、逆に掲載されていてもすでに申し込みが入ってしまっている物件もあります。

そのため、希望する地域の家賃の相場感を調べるにはネットでも良いですが、実際に物件を探して申し込むうえでは非効率となります。

 

直接不動産会社に行って事情を打ち明ける

自己破産する場合において、効率の良く物件を探すためには、ある程度希望の条件を決めたうえでその地域の不動産会社に直接出向いて相談するのが効率的です。

相談時には、自己破産をする(あるいはしている)ということまで伝える必要はなく「信用情報に傷が入ってしまっている」と伝えれば十分です。

そのうえで「それでも借りられそうな物件を探してください」とお願いし、そのうえで出てきた候補の中から選ぶのが最も効率の良い方法です。

 

親身になってくれる不動産会社を見分ける

信用情報に傷が入っていることを伝えても、それに応じて親身になって借りられそうな物件を一生懸命探してくれる不動産会社は必ずあります

信用情報に傷が入っていることを伝えた時に、もし面倒くさそうな態度や発言をされたら、その時点で不動産会社を変えたほうが良いでしょう。

賃貸系の不動産会社には必ずお抱えの家賃保証会社があります。

もしその会社が信販系や審査基準の厳しい保証会社1社としか提携をしていなければ、信用情報に傷が入っていることを伝えた時点で向こうから断ってくるか、嫌そうな態度を取ってきますで、そこで選別することができます。

何店舗も足を運ぶのが面倒であれば、まずは電話で相談してみるだけでも親身になってくれそうか感触がある程度分かります。

なお、それぞれの会社のスタンスによるので一概に言うのは難しいですが、傾向としては大手よりもその地域に密着した地場の不動産会社の方が親身に相談に乗ってくれることが多いです。

全国チェーンの会社の中では、ミニミニとハウスコムがこのようなケースでも比較的柔軟に対応してくれる印象があります。(ただし、フランチャイズ店のため実際に運営している会社は各店舗で異なり、店舗によっても対応の良し悪しが変わります)


家賃保証会社の指定を交渉する

家賃保証会社なしという条件で希望の賃貸物件が見つかればそれが理想的ですが、最近ではほとんどの物件が家賃保証会社との契約が必須となっています。また、大抵は物件ごとか不動産会社ごとに家賃保証会社も指定されてしまっています。

そこで、信販系や審査の厳しい家賃保証会社が指定されている場合は、他の家賃保証会社を使うことを交渉してみましょう。

オーナーの立場からすれば家賃が保証されれば良いわけですから、意外と保証会社を変えられることは珍しくありません

この場でどこの家賃保証会社の審査が緩いか具体的な社名を記載することはできませんが、実績のある不動産会社であればその点も熟知しているので、相談した不動産会社から提案してもらえます。(逆にそのような提案や柔軟な対応を取ってくれないのであれば不動産会社を変えたほうが良いでしょう)

 

家賃保証会社の代わりに連帯保証人を付ける

最近では家賃保証会社と連帯保証人の両方を必須とする物件も増えてきていますが、「家賃保証会社のみ必須で連帯保証人は不要」という物件もまだまだたくさんあります。

そのような物件で「家賃保証会社の代わりに連帯保証人を付ける」という条件で契約させてほしいと交渉するのも方法のひとつです。

なかなか入居者が決まらなくて困っている物件であれば、オーナーがOKしてくれることも多々あります。

 

URや市営住宅は保証会社不要で審査も緩い

ここまでは、自己破産後に一般的な賃貸物件を借りる方法をお伝えしてきましたが、そもそもURや市営住宅であれば家賃保証会社が不要です。そのため、信用情報に傷が入っていても問題なく、自己破産したとしても入居審査に影響がありません。

URの主な審査基準は「現在の収入」です。この収入は年金も認められますので、お仕事をしていないご高齢の方でも入居が可能です。

しかもURであれば敷金や礼金、仲介手数料などもかからないため、一般の賃貸物件と比べて転居費用を大幅に抑えることができるためお勧めです。

ちなみにURであれば保証人も不要です。市営住宅は地域によって保証人の要否が異なります。

ネックとなるのは、URも市営住宅も物件数が少ないため、希望の地域にそもそも物件がなかったり、あっても満室で借りられないことが多いという点です。

そのため、URや市営住宅を探す場合はエリアを広めに設定しなければなりません。

 

まとめ

本稿では、自己破産しても賃貸物件をスムーズに借りる方法をお伝えしました。

「自己破産すると住める家がなくなるのではないか?」と心配される方も多くいらっしゃいますが、自己破産は法律で認められた再出発のための制度であり、自己破産したことによって住める家がなくなって生きていけないということはあり得ません。

もちろん、自己破産せずに済むのであればそれにこしたことはありません。
しかし、逆に今の借金返済に追われる生活から脱却するために自己破産を選択することは悪いことではありません。

その時に、今後の家のことなどを心配し過ぎて踏み切れないといつまでたっても生活が苦しいままです。
もし自己破産した後の家のことが不安なのであれば、そこは考え過ぎずに、まずは本稿でご紹介した方法を実践していただければと思います。

 

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