【体験談付き!】本当にあった任意売却のトラブル事例ランキング!

住宅ローンが払えなくなってしまった時に、自宅を競売に掛けられることを回避するための最後の手段が任意売却です。

しかし、任意売却というと一般の方には聞き慣れない言葉であり、実際に手続きを行うのは不安が大きいと思います。

また、非常に特殊な分野であるため有名な大手不動産会社はほとんど扱っていないことから、どの不動産業者に依頼すれば良いかわからないという方がほとんどだと思います。

実際に、任意売却は不動産業界の中でも特に特殊な分野であり、地方では専門的に扱える業者が非常に限られているのが実情です。

そのため、任意売却に不慣れな会社が扱ってトラブルになったり、悪徳業者に騙されて痛い目を見てしまう方もいらっしゃいます。

ここでは、実際に当社に寄せられた相談に基づき、体験者の声も交えながら任意売却のトラブル事例を紹介し、その要因と回避策を解説してきます。

 

任意売却の良くあるトラブル事例ランキング

それでは任意売却に関するトラブルを多い順に解説してきます。

 

リースバック(継続居住)を希望も結局できなかった

近年最も多いのが、「何とか家に住み続けたくて任意売却したうえでリースバックを希望していたが、結局リースバックできずに家を退去しなければならなくなった」というトラブルです。

このようなケースは、ここ数年でリースバックの普及に伴って急激に増加しています。

 

リースバックとは?

リースバックとは、自宅を不動産会社や投資家に任意売却した後、買い手から賃貸として借りることで、賃料を支払えば任意売却した後もその家に住み続けられる仕組みです。

家を売却した後も引っ越さずに住み続けられるため、住宅ローンを滞納してしまったから人からも人気の高い方法です。

リースバックについて詳しくはこちら>>

 

任意売却におけるリースバックは極めて困難

しかし、実際のところ任意売却でリースバックが成立するケースは、ローンの残高が少額である場合を除けば極めて稀です。

当社でも任意売却においてリースバックを成立させられたケースも多々ありますが、それでも割合としては10件に1件以下です。(一般的には20件に1件と言われています)

理由としては、以下の2つが挙げられます。

①売却額の折り合いがつかない(債権者は高く売りたい、買い手は安く買いたい)

②家賃を払っていける目途が立たない(一般的な賃貸よりも家賃が高くなることもある)

従って、理屈から言っても任意売却におけるリースバックの成功率は極めて低いのが実際のところです。

 

リースバックは任意売却業者の「集客のエサ」

最近では、任意売却業者のホームページを見ると、必ずと言ってよいくらいリースバックのことが訴求されています。

これは、任意売却業者がリースバックの成立する可能性が低いことを分かったうえで、「何とか家に住み続けたい」という依頼者の想いに付け込んで、集客のためのエサにしているのが実際のところです。

そのため、任意売却業者の担当者が「リースバックできるように頑張ります」と期待を持たせて契約をもらい、後で「やっぱりできませんでした。普通の任意売却に切り替えます」となってトラブルに発展するのです。

リースバックは「ローンの残高が少ない」「安定した収入がある」など一定の条件を満たさない限り成立しないと初めから心構えをしておくことが必要になります。

【トラブル体験談①】 

何としてもこの家に住み続けたいとA社の担当者にお願いしたところ「任せてください!」と心強いお言葉をいただいたので、信頼と期待をしていました。

しかし、競売の2ヶ月前になっても話が進まず、急に「リースバックはまとまらなかったのですが、任意売却で買い手が付いたので来月には引っ越してください」と急に言われました。

事前に相談もなくそのようなことを言われて憤慨しましたが、そうしないと競売になると言われてしまい、泣く泣く家を後にしました。

 

結局、任意売却できず競売になってしまった

次に多いのが、任意売却できず結局競売になってしまうトラブルです。

これは担当した任意売却業者に責任があるケースと、致し方ないケースがあります。

 

売れなければ競売になってしまう

任意売却は、裁判所を通す競売と異なり、あくまでも一般の市場で不動産を売却する方法です。

そのため、当然ながら買い手が見つからなければ売却することができず、最終的には競売になってしまいます。

 

競売にまでに間に合わない

任意売却は競売の開札期日までにすべての手続きを終えなければなりません

任意売却業者に依頼したタイミングがすでに競売の直前だと、販売活動や引き渡しなどの手続きが間に合わず、結局競売になってしまうことがあります。

 

業者に販売力や債権者との交渉力がないケースも

物件が売れない要因は主に次の3つです。

①需要がない地域、事故や瑕疵がある、など物件自体に問題がる

②担当している業者の販売力が低い

③販売する価格が高過ぎる

①は致し方ないとして、②③は業者の責任です。②は論外としても、③も任意売却業者の腕次第で解決できることがあります。

基本的に、任意売却における販売価格の決定権は債権者(住宅ローンを貸している銀行やその保証会社)にあります。

債権者は少しでも高く売ってたくさん回収したいため、相場とかけ離れた無理な高値を要求してくることがありますが、これは任意売却業者の交渉次第で適正価格にする承諾を得られることも珍しくありません。

とはいえ、業者がいくら債権者に交渉しても、債権者が適正価格に引き下げることを承諾しないこともあるので、この場合は致し方ないと言えます。

関連記事:「任意売却できないケース」>>

【トラブル体験談②】 

ある会社に任意売却をお願いしたのですが、その後全く音沙汰が無く、こちらから問い合わせても「販売しているけど全然反響が無いんです」というだけでした。結局、そのまま時間だけが過ぎて競売になってしまいました。

 

引っ越し代がもらえなかった

引っ越し

引っ越し代に関する認識の違いや「言った、言わない」の問題も任意売却で多いトラブルのひとつです。

 

引っ越し代はそもそも確実にもらえるものではない

そもそもとして、任意売却において引っ越し代は100%もらえるものではありません。

任意売却業社のホームページを見ると、あたかも絶対にもらえるかのような書き方がされているのを目にしますが、あくまでも「交渉ができる」というだけです。

 

高額な引越し代を確約する業者には注意を

前述の通り、引越し代は必ずもらえるものではないにも関わらず、高額な引っ越し代を確約する業者には注意が必要です。

後で「やっぱり出せませんでした」と言われてトラブルに発展していることも多いようです。

高額な引っ越し代を確約してもらえた場合は、同時にその根拠を確認したうえで書面で提出させることがトラブル回避に繋がります。

 

引っ越し代は原則として後払い

もう一つの注意点として、引越し代は原則として後払いということです。

つまり、実際に引っ越す際には一旦自己資金で支払わなければならず、これを捻出する必要があります。

当社では、すでに買い手が決まって売買契約が完了している場合に限って、引越し代を立て替えるサービスを行っておりますが、基本的には自分で支払う心づもりでいたほうが良いでしょう。

【トラブル体験談③】

引っ越し代として最低50万円は用意すると言われてお願いしたのに、実際に買い手が決まって契約をした後で「やっぱり20万円しか出せませんでした」と言われました。それで大きく計画が狂ってしまい騙されたような気持ちです。

 

ローン残債の減額や分割払いが認められなかった

任意売却後の残債

これは、特に深刻なトラブルになるケースが多く散見されるパターンです。

これは、担当した任意売却業者の知識がなかったか、説明不足が原因であることがほとんどです。

 

「任意売却後に残った残債は減額されます」はウソ

「任意売却後に残ったローンはサービサー(債権回収会社)に格安で債権ごと売却されるので、そのサービサーと交渉すれば大幅に減額できます」こんなことを言う業者がいますが、そんなことはありません。

原則として、債権がサービサーに売却されても残債が減額されることはありません。例外的に交渉により減額が認められることもありますが、ごく稀だと思っておいた方が良いでしょう。

このようなことを言う業者は、任意売却に精通していないか、悪徳のどちらかです。

こういう業者に限って、聞いていたことと違うと文句を言うと、売った後のことは知りませんとばかりに開き直った態度を取ってきます。

 

分割返済も100%認められるわけではない

任意売却した後の残債は分割返済が認められるのが一般的です。
しかし、これもあくまでも債権者との交渉であり、必ず認められるわけではありません

任意売却業社から分割返済に応じてもらえると言われたのに、例えば「先に100万円払ったら残りは分割に応じる」など無理な条件を言われてトラブルになるケースもあるようです。

【トラブル体験談④】

任意売却して住宅ローンが300万円ほど残ってしまいました。依頼した業者の担当者には、「サービサーに債権が移ったら30万円くらい払えばあとは免除してくれるから」という説明をされました。

しかし、そのことをサービサーに伝えたら取り付く島もなく拒否されて全額の支払いを求められました。今更ながらいい加減な担当者だったと思います。

 

仲介手数料以外の費用を請求された

請求

これは最近ではだいぶ減ってきたトラブルですが、いまだにこのような悪徳業者も存在しているようです。

 

相談料、コンサルティング料などの名目は払う必要なし

基本的に、任意売却業者に対しては、仲介手数料以外は支払う必要がありません。

その仲介手数料は、売却した代金の中から業者に支払われるため、基本的に自己資金で業者に払う料金はありません

なお、事前に合意していない相談料やコンサルティング料などを、後から請求された場合は断固支払いを断り、しつこい場合には弁護士や宅建協会、消費者センターに相談しましょう。

 

仲介手数料以外に費用が発生するケース

ただし、任意売却であっても一般的な不動産売却に必要な諸費用の実費は負担が必要になる場合があります。

・印紙代(税金)

・本人確認情報費用(権利証を紛失している場合)

・住所変更登記費用(住所を移転している場合)

・マンションの駐車場代の滞納金

※諸費用はケースによって異なります。また、諸費用も売却代金などから控除できる場合もあります。

【トラブル体験談⑤】

任意売却の費用はすべて売却代金から捻出できると言われたのに、後になって「あなたのケースは通常よりも大幅に手間と時間がかかったので、交通費と相談料を請求させてください」と言われました。

ただでさえ生活に余裕がないので支払いを拒否していますが、いまだに請求が来ます。

 

結局、自己破産させられた

自己破産

自己破産しないために任意売却を依頼したのに、結局自己破産する羽目になった…

実はこんなトラブルも増えています。

 

「任意売却後の残債務をなくす」=自己破産ということ

最近の任意売却業者のホームページには「弁護士と提携しているので、売却後の残債はゼロにできます」と謳っているものがあります。

これは「自己破産の手続きを弁護士に依頼する」ことを前提にした話です。

あたかも自己破産せずに残債をゼロにできるような誤解を招く書き方をしているホームページも散見されますが、そんなおいしい話はありません。

 

自己破産自体は悪いことではない

ただし、自己破産自体は国が法律で定めた再出発のための制度ですので、自己破産すること自体が悪い訳ではありません。

もちろんデメリットもありますが、それ以上に債務をゼロにできるというメリットもあります。

問題なのは、それを事前に説明せずに、あたかも弁護士が自己破産しなくても債務をゼロにしてくると思わせるような書き方や説明がされていることです。

【トラブル体験談⑥】

任意売却して残った債務はゼロにできると聞いたのでお願いしたところ、任意売却が終わって弁護士を紹介された際に、当たり前のように「では自己破産しましょう」と言われたのには愕然としました。

最後は弁護士さんの説明に納得して自己破産することにしましたが、事前にそのような説明をしてくれなかった任意売却業者の方には釈然としません。


給与を差し押さえされた、ブラックリストに載ってしまった

給与差押え

任意売却にはメリットだけでなく、当然デメリットやリスクもあります。

それを任意売却業者がしっかり伝えていなかったり、誤ったことを伝えたことでトラブルになるケースも散見されています。

 

事前にデメリットを説明されない

任意売却をする場合は、住宅ローンの滞納が前提となりますので、当然に信用情報に傷が入ります。(※任意売却することによって傷が入るわけではなく、滞納することによって傷が入ります)

ほとんどの相談者は、すでに住宅ローンの滞納により信用情報に傷が入ってしまっています。

しかし、中にはまだ滞納していない、あるいは滞納が浅い方に意図的な滞納を推奨して信用情報に傷が入り、それを事前に説明されていなかったとしてトラブルに発展しているようです。

 

任意売却業者が経験不足でリスクを把握していない

中には、「住宅ローン滞納中に銀行からの督促はすべて無視してください」というような説明をしている業者もあるようです。

このような強引なやり方で、銀行への返済に一切協力的な姿勢を見せないと、給与を差し押さえられたり任意売却に応じてもらえなくなるなどのリスクがあります。

これは業者が任意売却に関するリスクや正しい対処法を把握していないことが原因です。

関連記事:「勘違いされがち!任意売却の本当のデメリットと4つの注意点」

【トラブル体験談⑦】

「もう銀行からの督促は全部無視してもらって大丈夫ですよ」と担当者に言われたのでその指示に従いました。しかし、ずっと滞納して督促も無視していたところ、給与を差し押さえられてしまったうえに、会社にも住宅ローンを滞納していることが知られてしまいました。

絶対に会社には知られたくないと伝えていたのですが、聞いていたこととあまりにも違うので担当者に問いただしても、はぐらかされるだけで納得いく説明はもらえませんでしたので、弁護士に相談して訴えるか検討中です。

 

連帯保証人に請求された

連帯保証人

任意売却業者が連帯保証人へのリスクを把握していなかったり、連帯保証人の有無を確認しなかったことによるトラブルも珍しくありません。

 

任意売却前に連帯保証には必ず確認

任意売却して残ってしまった住宅ローンの残債は、連帯保証人にも支払い義務が残り、連帯保証人にも当然請求されます。

そのため、任意売却する際には必ず連帯保証人の有無の確認と、連帯保証人がいる場合にはその方へ説明をするべきです。

 

連帯保証人の資産の差押えの可能性も

最悪のパターンとして考えられるのは、連帯保証人の家などの資産が差し押さえられることです。

強硬な債権者の場合には、連帯保証人の資産を差し押さえることで、残債の回収を図るケースもあります。

【体験談⑧】

父親が連帯保証人だったのですが、任意売却して残った残債が父親にも請求されて、最終的には父の家まで差し押さえられてしまいました。

そんな可能性があることは事前に一切説明されていなかったので、担当した業者の方に何とかしてくれと泣きつきましたが、『どうにもならない』と返されました。もう父に合わせる顔がありません。

 

任意売却でトラブルを回避するための悪徳業者の見極め方

任意売却業社の見極め

任意売却でトラブルを避けるためには、信頼できる業者を選択することが何よりも大切です。

信頼できるかどうかを見極めるポイントの一覧をご紹介しますので、ご参考にしてください。

※より詳しくは「失敗しない任意売却業者の選び方~間違えると大変なことに?」の記事をご覧ください。

 

何よりまずは実績

任意売却は非常に手続きが複雑なため、一般の不動産会社ではなく、実績が豊富な専門業者に依頼しましょう。
最低でも100件以上の経験は欲しいところです。

 

地域密着型か全国対応型か?

基本的にはその地域に根差している会社を選びましょう。
全国対応型の業者はその地域の地域性を理解していなかったり、単にその地域の業者に外注するだけという悪徳な業者も存在します。

面談時に注意すること

面談を受けた際に必ず以下の点をご確認ください。

・デメリットやリスクを説明してくれるか?

・任意売却後の残債への提案はあるか?

・住宅ローン以外の債務に関するヒアリングや提案はあるか?

これらのことをきちんと説明・提案してくれる業者は、任意売却はもちろん生活の再建に向けて親身になってくれる可能性が高いでしょうか。

逆にこれらの説明・提案が無ければ、あまり親身な姿勢とは言えず、悪徳な業者である可能性もあります。

 

紹介会社、NPO法人や一般社団法人は要注意

紹介会社は単に紹介をして紹介料を取るだけのビジネスです。ですので、その会社自体が対応してくれるわけではなく、任意売却の実務ノウハウもありません。

実は任意売却関連のNPOや一般社団法人も同じです。NPOや社団法人と聞くと公共性が高く聞こえますが、実は関連会社に紹介してそこで収益を上げているだけなのです。(※すべての団体がそうではありません)

なお、紹介会社を見極めるポイントは、宅建登録しているかどうかです。任意売却は宅建業者しか扱えませんが、紹介会社は宅建登録ができないため、宅建免許の有無を確認すれば分かります。

こんなことを言う会社も要注意

「絶対に大丈夫」

「リースバックで住み続けられます」

「高額な引越代を渡せます」

これは調子の良いことを言って契約を取りたいだけで、後でトラブルになる典型的なパターンです。

関連記事:「任意売却の相談先はこう見極める!本当に良い業者を選ぶ7つの基準」>>

 

まとめ

本稿では、任意売却におけるトラブル事例をご紹介しました。

本来、任意売却は住宅ローンの返済が困難になった状態から債権を目指すための手続きです。

しかし、本稿でご紹介したようなトラブルに巻き込まれてしまい、これまで以上に苦しい想いをしてしまっている方もいます。

本稿をお読みいただくと、「それじゃあ任意売却は怖いからやめておこう」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、本稿ではより分かりやすくするために極端な例を集めましたが、実際にこのようなトラブルになっているのはごく一部です。

そして何より、任意売却は間違いなく競売よりも大きなメリットのある解決策です。

ですので、任意売却を諦めるのではなく、

①トラブルにならないように慎重に依頼する業者を選んでいただくこと

②ご自身でもリスクやその対処法を最低限は理解したうえで進めていただくこと

これを意識して手続きを進めていただければと思います。

 

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